■プロフィール

名無し

Author:名無し
今年の戦隊シリーズ最新作「ゴーオンジャー」が結構面白い。
そこで思い立って戦隊シリーズの歴史を自分勝手に脳内補完してまとめてみようかと思う。かなり勝手な思い込みが多いのはご了承のほどを。

■最近の記事
■リンク
■カテゴリー
■最近のコメント
■最近のトラックバック
■月別アーカイブ
■ブロとも申請フォーム
■ブログ内検索

■RSSフィード
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告 | --:--:--
14.地球戦隊ファイブマン
14.地球戦隊ファイブマン(1990)
1990/3/2~1991/2/8 金曜日17:30~17:55




作品の特徴
前作途中での放送枠の金曜17:30開始枠への変更による視聴率低迷を受けて、視聴率の取れる確率の高い王道路線への回帰が図られた。この時点における王道路線とは、ゴーグルファイブで確立されたフォーマットに則って、エイリアンや狂気の科学者の侵略に対して科学の力を駆使して力を合わせて戦う5人の戦士たちのストーリーを軽快かつ情緒豊かに描くことであった。

しかし、この路線はシリーズ第二期を通してやり尽くされた感があり、ライブマンで内容的にも頂点に達したと見られていた。そして、この路線を突き詰めていくと結局は低年齢層よりもむしろ高年齢層に受ける作品になるということも感じ取られていた。それゆえ、ライブマンの次作であるターボレンジャーでは低年齢層受けを狙って新境地への挑戦が行われたのだが、放送枠変更後の裏番組「らんま1/2熱闘編」が強くて窮地に陥ったのだった。



「らんま1/2熱闘編」はファイブマンと同じ金曜日17:30開始枠でフジテレビ系で放送されていた(但しこれは関東での話)のだが、この番組はもともとゴールデン枠で放送が開始された「らんま1/2」が(内容的に仕方ない部分もあるのだが)ゴールデン枠でありながら露出シーンを多発したために、当時の宮崎事件に起因するアニメバッシングを受けることになり18話放送しただけで一旦打ち切りになり、前年1989年10月にこの夕方枠に「熱闘編」となって移動して19話以降を放送する羽目になったもので、本来は十分にゴールデン枠で高視聴率をとれるクオリティの番組であったわけで、その後1992年9月に終了するまで、夕方放送のアニメ番組としては異例といえる3年近くもの長期間にわたって高視聴率をマークし続けた例外的なお化け番組であり、さすがに天才ストーリーテラー高橋留美子のギャグ漫画の代表作のアニメ化だけあって低年齢層に圧倒的に支持されており、この強力裏番組に勝って低年齢層視聴者を奪い取るためには、まだフォーマットの定まらない新境地で勝負するわけにはいかず、やはりマンネリ気味とはいえ王道路線で勝負をかけるしかなかった。

そういうわけで、シリーズお馴染みのエイリアン侵略型の敵組織に対して地球を守るために科学で武装した5人の戦士が戦うという形式になったのだが、そのマンネリ感は作品タイトルにも如実に表れており、「地球戦隊」というのは「地球を守る戦隊」という意味で、あまりに当たり前であり、「ファイブマン」も単に「5人のヒーロー」というほどの意味で、もはやネタ切れ状態であったことを覗わせる。

この王道中の王道ともいえるストーリーを低年齢層により確実に受けるものとするためには、あまりフラッシュマンやライブマンのようにストーリーを入り組んだものにせず、むしろゴーグルファイブのように単純な勧善懲悪路線にして、肉付けする部分も極力子供に受けそうなものにすることだった。それには子供の身近なテーマを取り入れるのがいいのではないかと考えられた。


シリーズ初の兄弟戦隊(写真は幼少時)

子供にとって特に身近なものというと、それは「家族」と「学校」であった。そこで戦隊のメンバーが同じ家族、つまり兄弟であるということにして、しかもその兄弟がみんな小学校の先生をしているということにして、ヒーローの日常生活の場面で兄弟の触れ合いのシーンを描いたり、教え子の小学生たちをたくさん出して、子供との触れ合いのシーンも増やそうとしたのだった。ここにシリーズ初の「兄弟戦隊」が誕生したのだった。




そして、この作品はヒーロー兄弟が全員教師であるということから、同時にシリーズ初の教育ドラマでもあった。いや、日本で最もヒーロードラマに多く出演し、仮面ライダーV3こと風見志郎、アオレンジャーこと新命明、ビッグワンこと番場壮吉、怪傑ズバットこと早瀬健を演じた、丹波哲郎の一番弟子にして「日本で一番キザなヒーローが似合う男」である宮内洋は「特撮ヒーロー番組とは子供たちに正義の心を教える教育番組に他ならない」との名言を吐いており、彼がこの名言を吐いたのが1995年の48歳の時で、まだ若かりし頃の彼がそんな立派なポリシーを最初から持ち合わせていたとは思えず、おそらくはゴレンジャーなどの特撮ヒーロードラマの制作現場においてそうしたポリシーはもともと一貫して存在しており、そこで宮内はそうしたポリシーの薫陶を受けたのだと思われることから、この戦隊シリーズにおいても宮内の出演したゴレンジャー、ジャッカー電撃隊の頃から宮内が上記名言を吐いた1995年の時点まで、そしておそらくは現在に至るまで、「特撮ヒーロー番組は子供たちに正義の心を教える教育番組である」というポリシーは受け継がれ続けてきたと考えるならば、このファイブマンこそはそうした「教育番組」としてのシリーズのポリシーを最も前面に押し出したドラマであったとも言えるであろう。

「ゴレンジャーのようにギャグ重視の作品の何処が教育番組なのだ」と思われるかもしれないが、多くの子供たちにヒーロー精神を教えるためには、まず多くの子供たちに番組を観てもらわなければいけないのであって、そのためには面白おかしいギャグでまず子供たちを惹きつけなくてはならないのであるから、ギャグ重視と教育番組であることは矛盾しないのである。テレビ番組は義務教育の学校とは違うのだ。サブカルチャーなんていうものはそんなもので、堅苦しい御高説を並べるのではなく、面白がらせて、その上で大事なことも教えていければいいのである。大事なのは本当の目的である「正義の心を教える」という肝心の部分を忘れないことである。それさえ外さなければギャグ重視は決して逸脱ではないし、不謹慎でもないのである。


「特撮ヒーロー番組は子供たちに正義の心を教える教育番組である!」

特撮ヒーロー番組が正義の心を教える教育番組であるとするならば、ヒーローというものは単に強く、悪者をやっつけるというだけの存在ではなく、正義の心を教える模範的存在、ひいては教育者的な存在でなければならない。更に宮内は2002年に「愛と勇気と正義と希望、そういったものを与えるのがヒーローであります」とも述べている。ヒーローにとって大事なのは強さではなく、愛や勇気、正義の心、そして希望を持ち続けることなのであり、そしてそれらの精神を子供たちに教え伝えることなのである。むしろ真の愛、真の勇気、真の正義の心、真の希望を持ち続ける心が試されるのは、悪者が強大でヒーロー側が弱体である場合なのであり、屈服の誘惑に負けることなく、悪を悪だと糾弾し立ち向かうことが出来る精神こそがヒーローの真髄であり、「負けては意味が無い」などというのは現実世界の治安維持組織ならいざ知らず、あくまで教育番組としての特撮ヒーロー番組におけるヒーローに求められる姿勢ではない。「とても勝ち目が無い」という状況で、それでも立ち向かう勇気を教えるのがヒーローであり、それでも不義や不正を許さないという正義の心を貫くことの尊さを教えるのもヒーローであり、その勇気や正義の心を支えるものは守るべき存在への愛情であるということを教えるのもヒーローの仕事なのであり、そして、どんな不利な状況でも最後まで希望を捨てないのがヒーローであるということも身をもって教える存在がヒーローなのである。

つまり、ヒーローはピンチがあってこそヒーローたり得るのであり、またピンチからの大逆転こそがヒーローの真髄なのだといえる。そういう意味で、生身の人間が強化スーツを着ただけであるので個々の戦闘力では敵怪人に劣るが、5人揃えば合体攻撃によって敵怪人より勝るという本シリーズにおける基本設定は非常に良く出来ていて、単独行動時にピンチに陥るが決して諦めずに戦い続けている間に他のメンバーが応援に駆けつけて大逆転して、決して希望が裏切られることはないという流れが自然に出来上がるのである。つまり毎回毎回、ヒーローとは、正義とは何かということを多く示唆することが出来、また同時にチームワークの大切さ、仲間を思いやる気持ちの大切さも教えることが出来る教育番組としての設定が最も上手く出来ているのが戦隊シリーズなのだといえる。

そういう意味で本シリーズは根本的には教育番組なのであり、主人公たる戦隊メンバー達は視聴者たる子供達に対する教育者としての役割を隠し設定としては備えていたといえる。その隠し設定が隠し設定ではなくなって表面に出てきて、戦隊メンバーが本当に教師になってしまったのが本作であったといえる。そして、それによって、教育番組としての側面がより強調されるようになったのが本作の特徴となった。


長男は理科、次男は体育、三男は国語、長女は算数、次女は音楽を教える小学校教師である

ただ、ヒーローを本当に教師としてしまったことで、子供との触れ合いのシーンでネックとなったのが、従来のシリーズ作品ではヒーローの戦隊は「秘密戦隊」であり、その変身前の正体は一般人には秘密であったので、その原則に忠実に描くならば、子供たちはファイブマンが自分達の学校の先生だということを知らないということになり、変身後のファイブマンと子供達との関係が疎遠になるのみならず、ファイブマンの変身前の姿である星川兄弟たちも、教え子たちに自分たちがファイブマンだと悟られてはならないために何かにつけてコソコソしなければならず、教え子との間に変な溝を作ってしまいかねないのだった。

いや、そもそも子供たちに「ウソをついてはいけません」と教え諭すべき立場の教師たる星川兄弟が、自分達の正体を教え子たちに対して偽っているというのは問題であり、またそうした言行不一致な教師やヒーローの姿をお茶の間の子供たちに晒すわけにはいかなかったのだった。

そこで本作では、シリーズにおいて画期的なことであったが、「秘密戦隊」というコンセプトをやめて、ファイブマンの正体が星川兄弟であるということを教え子や同僚などの周囲の人達が普通に知っているという設定にしたのだった。これによって作品中に出てくる星川兄弟の教え子の子供たちは素直な気持ちでファイブマンを応援することが出来るようになり、それは同様にファイブマンの正体を知っているお茶の間の視聴者の子供たちと同じ目線であったので、お茶の間の子供たちも劇中の教え子たちに素直に感情移入することが出来るようになったのだった。

その他、本作において導入された新機軸としては、それまでは変身用アイテムといえばブレスレットが定番であったが、女性戦士2人の場合はコンパクト型の変身器具にしたことがある。これも女児へのアピールであったのだろう。

また、敵組織にファイブマンと同じ5色に色分けされた「悪の戦隊」として「銀河戦隊ギンガマン」というエイリアン5人組をレギュラー敵キャラとして登場させ、たびたびファイブマンと同じ色同士が対戦する5対5のチーム戦を行わせ、格闘シーンを盛り上げようとした。なお、この「銀河戦隊ギンガマン」は「地球戦隊」との対比で銀河宇宙側代表という意味合いで「銀河戦隊」と名乗り「ギンガマン」と名乗っていたというもので、その容貌は醜悪なエイリアンが色別のバンダナを巻いただけのものでありファイブマンとは似ても似つかず、また後のシリーズ作品「星獣戦隊ギンガマン」とも何の関係も無い。この「銀河戦隊ギンガマン」は、この後、本シリーズにおいてしばらく不定期に定番化する「悪の戦隊」「別の戦隊」の最初の例となる。


悪の戦隊「銀河戦隊ギンガマン」

また、子供向けの新機軸として、人形劇で使う予定の人形に魂が宿ったという設定で、ファイブマンや敵幹部のガロア艦長に模した喋るパペット人形キャラが「5くん」「ガロアどん」という名で登場して、劇中において子供たちと一緒にファイブマンを応援したり、5くんがガロアどんを苛めたりして独自のドタバタ劇を展開し、一種の狂言回し的役割を演じるようになったりした。


「5くん」と「ガロアどん」

装備面での新機軸としては、本作の後半からファイブマンの強化スーツの上から着用する強化プロテクターが登場したということが挙げられる。その他はアクションや装備、マシン、ロボットなどに関しては特に新機軸というほどのものは無いが、それまでの戦隊シリーズにおける蓄積を活かした充実したもので、特に前作ターボレンジャーで新たに導入したような、1号ロボ「ファイブロボ」と2号ロボ「スターファイブ」のスーパー合体による超巨大ロボ「スーパーファイブロボ」や、要塞基地や要塞ロボ、要塞ロボと超巨大ロボの最強合体形態「マックスマグマ」などのパターンはそのまま踏襲して導入した。

ただ、メカニックのデザインの面では、ロボ類のデザインのマンネリ感だけではなく、合体前のマシン類までが本作においては従来型の普通の戦闘機や戦闘車両の形態に戻ってしまい、前作から更に後退してしまった感がある。


ちなみにこの写真においては強化プロテクターを肩・腕・脚に装着している


戦隊メンバー

赤:ファイブレッド/星川学(長男・27歳)・・・剣道が得意な理科教師、抜群のリーダーシップ

青:ファイブブルー/星川健(次男・25歳)・・・柔道が得意な体育教師、スポーツ万能

黒:ファイブブラック/星川文矢(三男・20歳)・・・空手が得意な国語教師、末っ子気質

桃:ファイブピンク/星川数美(長女・23歳)・・・フェンシングが得意な算数教師、冷静な判断力

黄:ファイブイエロー/星川レミ(次女・20歳)・・・カンフーが得意な音楽教師、明朗活発

メンバーの呼称は「ファイブ(隊名)+色名」という形式。

兄弟戦隊ということで、続柄と年齢を表記しておいた。なお黒と黄は二卵性双生児という設定。兄弟戦隊ということで劇中でわざわざリーダーを決める描写は無かったのでリーダーやサブリーダーは明記されていないが、長男のレッドがかなりの人格者でもあり、父親替わりに他の兄弟を育ててきた保護者的存在であり、彼が実質的にリーダーであることに疑いの余地は無い。

サブリーダー的ポジションには次男のブルーか長女のピンクがいるのだろうが、ハッキリはしない。むしろ、通常は赤と対等に近いライバル関係にあることが多い黒が本作では三男の位置に後退し、赤に従順な傾向の強い青が次男の位置にあることからも、赤の優位を強調した布陣であるといえる。つまり、本作においてはレッドが強力絶対なリーダーで、サブリーダー的存在は必要ないのだといえる。

なお、女性戦士のコスチュームはスカート風ではなく男性戦士と基本的に同じデザインになっている。





戦隊の所属
シドン星で植物再生の研究を行っていた際にゾーンの襲撃を受けて生死不明になった天才科学者の星川博士夫婦が遺したロボットや武器などを引き継いだ星川五兄弟がゾーンの地球侵略を予想してサポートロボットのアーサーG6と共に強化スーツを開発し、トレーニングを積んで結成した兄弟戦隊である。どうやらこの作品の世界設定としては人類が全員というわけではないが、一部の知識階級などは結構普通に他の星との間の行き来をしているという設定のようである。1990年当時においてそのようなことは不可能であったので、おそらく近未来の社会を舞台にしているのであろうが、かといって殊更に未来社会的な描写が強調されているわけではなく、社会生活はごく一般的である。


左:星川博士夫婦 右:アーサーG6

強化スーツ以外はほとんど星川博士が残した装備を使っているのだが、当人の星川博士が生死不明なのでとりあえず指揮官と呼べるような人はいない。実質的にはアーサーG6が指揮官的役割を果たす。ファイブマンが星川兄弟だということは周囲の人達は知っているので、何かと支援は受けているのだろうと思われる。


ファイブマンの要塞基地マグマベース

他に協力者としては、かつて星川博士から盗んだ2号ロボ「スターファイブ」に乗って地球へやって来てファイブマンと戦い、和解してスターファイブを提供する宇宙戦士グンサーが中盤に登場する。グンサーは終盤に再登場してファイブマンと共に戦う。


宇宙戦士グンサー

ファイブマンはほとんど星川家の私設戦隊のようなもので、それゆえ地球防衛という使命も大事にしつつ、父母の仇討ちという私的な動機によっても戦隊を自由に動かすことが可能で、軍隊的規律に縛られることもなく、公然戦隊でもあるので隠密行動をとる必要も無く、そのため前半のような、かなり兄弟のプライベートなストーリーを重視したような展開が可能になる。

なお、ファイブマンのロボットなどは強化スーツ開発とは関係なく星川博士が開発していたものなので、ファイブマンに変身しなくても生身の人間でも普通に操縦することが出来る。よって劇中でもファイブマンは後半は変身体ではなく生身でロボットを操縦している。また2号ロボ「スターファイブ」も登場時からグンサーが操縦していた。このように生身でのロボ操縦という新機軸が導入されたことによって、無機質なものになりがちだった巨大ロボ戦への感情移入がしやすくなったといえる。


メンバーの来歴


天才科学者の星川博士を父親に持つ5人兄弟。まだ幼い頃、父母がシドン星でゾーン軍に襲われた際に一緒にいたが、父母がサポートロボットのアーサーG6と共に兄弟だけを地球へ帰還させた。20年後、アーサーG6の世話によって成長した兄弟は同じ小学校の教師として働く傍ら、ゾーンの地球侵略を予想して兄弟戦隊を結成していたが、ゾーンの地球攻撃開始を受けてVチェンジャーブレスやVチェンジャーコンパクトを使用して強化スーツを着用してファイブマンに変身して、地球を守るため、そして父母の仇を討つために戦うことになった。なお星川博士夫妻は終盤になって生きていることが判明する。

星川兄弟がファイブマンであるということを周囲の人達は普通に受け止めていたが、他の星に出かけていって研究を行うような有名な科学者の息子や娘たちということで、そのような装備を持っていても別に不自然なことではなかったのだろう。幼少時から怪しげなサポートロボットが保護者のように入学式や七五三などについてくる変な一家なのだから、いきなり強化スーツを着て「地球戦隊ファイブマン!」などと言ってもさほど違和感も無いのであろう。それに、だいたい戦隊メンバーが正体を隠したがるのは家族に危害が及ぶことを恐れるからであろうが、ファイブマンの場合、家族で戦隊をやっているようなものだから、そういう心配をすること自体が無意味なのだ。そういうわけでファイブマンは公然戦隊ということになった。

公然とした戦隊なのだから、別に正体を隠すために変身後にコードネーム(大抵は色名)で呼び合う必要も無いわけで、ファイブマンはお互い公然と本名で呼び合う戦隊であり、これはシリーズ初のことであった。もちろん苗字は全員同じなのでファーストネームで呼び合う。まぁだいたい兄弟で「レッド」「ブラック」なんて呼び合うのも照れくさいのであろう。

むしろ意外なのはファイブマン以前の戦隊がちゃんと「変身後はコードネームで呼び合うこと」というルールを律儀に守っていたことのほうだが、ファイブマン以降、次作のジェットマンでは一応「秘密戦隊」であるはずなのにメンバーが全くこのルールを守らず、以後のシリーズ作品において、この不文律はあまり守られなくなる。

これによって、変身後に急に呼び名が変わり顔がマスクに隠されてしまうために変身前と別人になってしまったかのように感じてしまい、変身前パートと変身後パートの繋がりが悪かったという従来からの弱点を克服することが出来るようになった。また、戦隊シリーズのように似たようなコスチュームのチーム戦隊の場合、コードネームで呼び合われては初めて観る人は誰が誰の変身後の姿なのか分からず、話の展開についていけなくなってしまうのだが、そういう欠点も克服されることになった。





戦隊の敵
銀河宇宙の征服を目論む混成エイリアン軍団「銀帝軍ゾーン」が地球侵略のために送り込む「銀河闘士」という怪人や戦闘兵が毎回ファイブマンと戦う。銀河闘士が大きなダメージを負うとゴルリンという白いノッペラボーのような巨大改造エイリアンが出現して銀河闘士を吸収して、その銀河闘士の巨大化した姿に変形して暴れる。ただ、この場合、銀河闘士がまだ生きているうちに吸収しなければならない。


銀帝軍ゾーンの幹部たち

ゾーンの支配者は銀河皇帝メドーであり、幹部たちが呼ぶと空にオーロラと共に出現する。実質的に地球侵略の指揮をとるのはガロア艦長という幹部で、ゾーンの根拠地である銀河戦艦バルガイヤーの艦長である。ガロア艦長の指揮下に他にも何人も幹部がいて、それぞれが競い合いながらファイブマンと戦う。


銀河皇帝メドー

前半はこうしたゾーンとファイブマンの戦いが単調に繰り返されつつ、どちらかというとファイブマンによるゾーンへの復讐物語や、ファイブマン側の兄弟の絆や教え子たちとの絆を描く話に重点が置かれるような展開が続いたが、後半になってガロア艦長のライバル的存在となる初代艦長シュバリエという幹部が登場するようになると、最初はシュバリエの特異なキャラクターと、ファイブレッドとのライバル関係が話を盛り上げていき、シュバリエがガロアを排斥して艦長に復帰すると物語は急速に大河ストーリー化していく。


左:ガロア艦長 右:初代艦長シュバリエ

ゾーン内の内部抗争にファイブマンとの戦いが絡み、終盤になると悪の戦隊ギンガマンの化けた偽ファイブマンが現れたり、ガロアが復活し巨大ロボ戦でファイブマン側の超巨大ロボが破壊されたり、ファイブマンがグンサーと共にバルガイヤーに突入してギンガマンや敵幹部たちと決着をつけ父母の消息を知り、その一方でメドーが実はゾーン幹部を騙して利用するための立体映像で、ゾーンの真の支配者は戦艦に偽装した銀河超獣バルガイヤーそのものであることが判明し、ファイブレッドとの一騎打ちに敗れたシュバリエの死のエキスを吸収したバルガイヤーが銀河超獣への脱皮を開始するという、なんとも怒濤の展開となる。


銀河戦艦バルガイヤー

ゾーンは、全宇宙的な規模の支配を目論むという点、多彩な種族の異星人の混成軍団である点、通常現れている首領の姿がホログラムのようなもので、その実体は別のものであるという点など、チェンジマンに出てきたゴズマに基本設定がよく似た組織である。典型的なエイリアン侵略型の敵組織であるといえる。


作品のヒロイン
ファイブピンク(星川数美)とファイブイエロー(星川レミ)が本作のヒロインとなる。


左:ファイブイエロー/星川レミ(次女) 右:ファイブピンク/星川数美(長女)

ファイブピンクは長女で兄弟の母親代わりで冷静なしっかり者、ファイブイエローのほうは末っ子で活発で子供っぽく甘えん坊で家事が全然出来ないという設定になっており、姉のファイブピンクのほうは典型的な伝統的ピンク系の「戦隊のお姉さん」タイプと見ていいのだが、妹のファイブイエローのほうは伝統的イエロー系ヒロイン像である「女戦士」タイプに属するように見えるが、それとは、やや違った印象を受ける。


ファイブピンク/星川数美


このファイブイエローは活発ではあるが「女戦士」タイプに分類できるほどストイックな感じでもなく、子供っぽさや甘えん坊気質など、戦士としては甘い要素が多く、強さよりも愛嬌や可愛さが強調されており、「戦隊のお姉さん」タイプにしては人格的完成度が低く、むしろマイペースで「いたずらっ子」的な要素が強い。これは新しいヒロインの類型であり、これを「マスコット」型と名づけることにする。

「マスコット」型のヒロインは、可愛らしく愛嬌があり活発で、自由奔放でマイペースなちょっと不思議系のキャラだが、内面では優しく熱い心を持ち、とても一生懸命な努力家で、メンバーや周囲の人々から信頼されるというよりは、可愛がられるタイプという感じであろうか。こうした役回りはもともとはゴレンジャーにおいてはミドレンジャーが担っており、男性キャラの役回りだった。それがバイオマン以降の女性戦士2人制の浸透の中で必然的に男性戦士の担える役回りの幅が減っていき、こうした「マスコット」的な役回りが次第に女性キャラの役回りになってきたのだともいえる。


ファイブイエロー/星川レミ


ファイブイエローこと星川レミを演じた早瀬恵子はれっきとしたアクション女優であり、そのためレミはまだかなりアクション重視のキャラクター設定はなされているが、ファイブイエローが女性2人制の兄弟戦隊の末っ子キャラであったために、こうした「マスコット」的なキャラ設定も加味されたのだろう。これがもし女性1人であったら、純粋な「女戦士」タイプか、あるいはおそらく末っ子でありながらしっかり者の「戦隊のお姉さん」キャラになったかもしれない。実際、後に同じ兄弟戦隊のゴーゴーファイブでも女性1人制の場合の末っ子のゴーピンクは「戦隊のお姉さん」キャラになっている。

こうして本作の星川レミにおいて「マスコット」型という新たなヒロイン像が明確に現れてくるようになり、これが更に次作ジェットマンにおける早坂アコというキャラクターで完全に定着することになるのである。

本作自体が不遇な作品なので、ヒロインとしての2人もそれほど極端に人気が高いわけではないが、肉親や子供たちを大切にする、優しく綺麗な好感の持てるヒロインであった。ただ、典型的な「戦隊のお姉さん」キャラクターであったファイブピンクのほうは、さほどインパクトが無く、新しいヒロイン像である「マスコット」型のファイブイエローのほうが新鮮な印象を与えて、この後、この「マスコット」型のヒロインが主流になっていく。





作品の評価
放映開始当初から王道的な設定に加えて様々な子供向けの新機軸を打ち出したにもかかわらず、視聴率は低迷した。話の内容がつまらなかったわけではなく、むしろ初期の星川兄弟が戦いに立ち上がって父母の復讐を果たしていくストーリーは現在でも評価が高い。また、教育番組として非常に良質な内容でもある。それでも視聴率が低迷したのは、それだけ裏番組の「らんま1/2熱闘編」が強かったということだろう。


3機のファイブマシン 左からスカイアルファー、ランドガンマ、キャリアベータ

ただ、「敵が強いから仕方ない」では話にならないわけで、相手が強いなりに戦いようはあるわけで、それを見出すためには、まずは敗因の分析をしなければいけない。すると、戦隊シリーズの今やマンネリ化した第二期の作風では、いくら内容を充実させても現時点の低年齢層の子供たちにとっての「らんま1/2熱闘編」の魅力に勝ることは出来ないということが敗因だと分かる。それだけ「らんま1/2熱闘編」が強いということなのだが、つまりは勝つためには、やはりゴーグルファイブのフォーマットを超えるような新しい路線を確立するしかないわけである。ファイブマンがかなりのレベルに達していたからこそ、それが分かったのだと言える。


ファイブトレーラー(3機のファイブマシンがトレーラー形態で合体したもの)

では次作こそは新境地の確立を期すということにして、ファイブマンはどうするのかというと、まさか低視聴率のまま放置するわけにもいかず、かといって「らんま1/2熱闘編」から視聴者を奪うことは出来そうにない。それならば「らんま1/2熱闘編」を観ていない層にアピールするしかない。すなわち10~20歳代の高年齢層である。高年齢層にとっては「らんま1/2熱闘編」はいささか子供っぽすぎて退屈であろうし、戦隊シリーズは1975年以来の長い歴史を持つのが「らんま1/2熱闘編」には無い強みであり、高年齢層は子供の頃に戦隊シリーズに慣れ親しんでおり、また近年においては1986年のフラッシュマンから1988年のライブマンにかけて戦隊シリーズはドラマチックな作風で高年齢層の視聴者を開拓しており、高年齢層向けの作風にチェンジすればそれなりの視聴者増加が見込める目算はあった。


左:スターファイブ(2号ロボ) 右:ファイブロボ(3機のファイブマシンが合体した1号ロボ)

もちろん、金曜17:30開始枠への移動によって高年齢層で視聴可能者が減少しているのは確かであろうが、それでもそれなりの数は見込めるのであり、より質の高いストーリーを提供出来ればその金曜視聴可能の高年齢層の掘り起こしの率も高めることは可能で、そしてそれを可能にする質の高いストーリーを作り上げるノウハウは、戦隊シリーズの第二期の試行錯誤の中で十分に蓄積されていたのであった。


スターキャリア(スターファイブが変形した高速飛行形態)

そういうわけでファイブマンの後半の怒濤の大河ストーリーへの転換がなされることになったのであった。そして、それは見事に成功し、高年齢層の視聴者が増えたことによって、視聴率は急速に上昇していった。これで一安心かと思いきや、しかし、この後半の時期にシリーズ存続の危機が訪れることになる。


スーパーファイブロボ(ファイブロボとスターファイブがスーパー合体したもの)

それは後半に入ってから売り出されたファイブマンの要塞基地マックスマグマの玩具が全く売れず大量の売れ残りが発生して発売元であり番組のメインスポンサーであるバンダイが大損害を出して、シリーズへの出資の意義に疑問を呈してきたということである。バンダイにしてみれば玩具の売り上げにつながると思えばこそ番組のスポンサーをしているのであって、いくら視聴率が良くても玩具が売れないのではスポンサーをしている意味は無いのである。

そしてファイブマンが前半においてはシリーズ歴代最低記録を更新するほどの低視聴率に喘いでいたのは事実であり、それが後半に入って高年齢層向け路線に転換したことで視聴率が回復し始めた矢先にこのマックスマグマ玩具の大量売れ残り問題が発生したので、バンダイ側から見れば低視聴率が玩具の売り上げ不振に繋がったかのように見えたのであり、後半になって回復した視聴率についてはあまり正当に評価されず、シリーズ存続の意義に疑問符がつけられるまでになったのだった。

まぁ実際に前半が低視聴率であったのは事実であるし、それが玩具の売り上げに影響を及ぼさなかったとも言えないので、バンダイ側の言い分が荒唐無稽ということはない。しかし、マックスマグマ玩具が売れなかったのはその単価が16800円という高額であったことが最も大きな要因であろう。いや、それまではそんな値段設定でも売れていたのだが、1990年当時、既にバブル崩壊が始まっていて不況感から児童の親達がそんな高い金を払って玩具を買わなくなっていたのだ。

言い換えれば80年代のバブル景気の頃はマックスマグマのように高額な玩具でも平気で売れていたということであり、バンダイが単に時代の変化に対応出来ずにバブル崩壊後にバブルの頃の商売のやり方を通してしまったために大量の売れ残りを発生させてしまったというのが真相であったのだろう。


マックスマグマ(マグマベースが変形してスーパーファイブロボを収納した最終戦闘形態)

しかしそれで「バンダイが悪くて番組制作側は悪くない」などと言っても意味の無いことで、実際になかなか簡単に玩具が売れない時代になったというのは厳然たる事実であり、そうした時代にバンダイとしてもそれまでのように広告費を湯水のように使えなくなるのは当然であり、玩具の売り上げに繋がらないのであれば戦隊シリーズのスポンサーから降りるという選択は間違ったものではなかった。

つまりバブル崩壊後の時代において戦隊シリーズを続けていくためには玩具が売れなければいけないということであり、スポンサーのバンダイがそれを望む以上、番組制作側としても玩具の売れるような作品作りをしていかねばならないということだ。もちろんバンダイ側もマックスマグマの無茶な高額設定のような大名商売は是正せねばいけないとして、番組側としても、果たして本当に玩具の売れる戦略のある番組作りをしてきたのか反省すべき点はあった。

だいたいシリーズにおいて最初に登場したバトルフィーバーロボ以来、変形したり合体したり、色々と玩具のバリエーションは増えて、どんどん大規模化して値段設定ばかり跳ね上がっていたが、肝心の玩具のデザインは最初のバトルフィーバーロボこそ異彩を放っていたものの、いつしか毎回毎回ほとんど同じようなものばかりとなり、マンネリ化していたと言える。玩具のデザインが変わり映えしないということは、つまりは番組に登場してくるマシンやロボなどのメカ類のデザインが(ライブマンやターボレンジャーの時のような工夫も一部ではあったが)変わり映えしていないということである。バブルの頃はそんなものでも高額でも売れていたので、ついついそれに甘えて進歩研究を怠っていたところにバブル崩壊が起きて、それでマックスマグマ事件が起きたのである。


スターキャリアに乗ってサメジゴクギンを攻撃するファイブロボ

つまりシリーズ存続のためには、今までのようにマシンやロボを作品世界のストーリー内の必然性や視聴率上昇のためのテコ入れ的存在という程度で捉えるのではなく、もっと積極的にバンダイも巻き込んで、まず「売れる玩具」というものを考えて、それをどのように作品世界に反映していくか、それに合わせて作品のストーリーをどう組み立てていくのかを考えていくという発想が必要になるのである。それは確かに一種の「あざとさ」を生み、それまでのような素直な番組作りが出来なくなるというのも事実ではあるが、そういう「素直な番組作り」で出てくる発想はもうネタ切れ状態であったのも事実だった。そして実際、この後、シリーズ第三期においてこの「あざとさ」のある発想によって「ファンタジー路線」という新機軸が確立していくことになるのである。

しかしそれはもう少し後のことで、このファイブマン後半の時点では、まずはバンダイがシリーズに対して抱いた不信感を払拭して信頼関係を回復することが先決だった。そうしなければバンダイはスポンサーを降りてしまうだろう。次作でやはり視聴率が低迷したり玩具の売り上げが悪かったりすれば、上記のような将来の構想を語ったところで大した説得力は無いであろう。やはりまずは、どんな手を使ってでも次作では視聴率と玩具売り上げの回復を達成せねばならないということになった。それが達成出来なければシリーズはもう終わりだという覚悟で次作ジェットマンは作られることになったのだった。
スポンサーサイト
未分類 | 09:29:37 | Trackback(1) | Comments(2)
コメント
ゴマ油でばっちりダイエット
ゴマには、黒、白、茶、金の4種類があります http://faborite.thriftystmartin.com/
2008-10-25 土 15:04:09 | URL | [編集]
Linkz
Hello, thx for all, <a href=" http://zasurtsevaunyt.pochta.ru/porno115.html ">糂齏鈬 闔齏?/a>, 10395, <a href=" http://abeignatovaich.pochta.ru/porno77.html ">粤碼 關鉐鱶鴦鳧 驍瑟</a>, 3750, <a href=" http://abalakinakon.hotmail.ru/porno143.html ">痳髀諤鴉 聽迹褂 鉋窶芟 3gp</a>, >:-DDD,
2008-12-15 月 15:33:32 | URL | 痳鞳跂迯 闔齏 韲糴 [編集]
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

加護亜依 噂のAV流出動画とプライベート画像
喫煙騒動で所属事務所を解雇されてたモーニング娘の加護亜依(19)がAVデビューし 2008-04-13 Sun 19:16:16 | 加護亜依 謹慎中噂のAV流出動画とプライベート画像

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。